がん細胞などの浸潤・走化性モデル構築に
細胞の浸潤性や走化性を観ることは発生学研究やがん研究を行なう上で重要ですが、本製品は、生理学的微小環境を再現することにより細胞の移動と浸潤を簡単に経時的、空間的に視覚化し、定量的な検証も可能にします。
チップ上に作製された3つのチャンバー構成を使い分かることにより2種類の培地溶液を用いた単培養も1種類の培地溶液を用いた共培養も可能にします。
主な用途
- がんなどのin vitroモデル構築
- がん細胞との共培養
- 相互作用観察
- 薬効試験
- 毒性試験
IC-Chipシリーズの特徴
- ガス交換性
- 生理学的微小環境構築
- 培養プロセスの簡便性
- 三次元培養の経時的検証が可能
- 明確なチャンネル境界面での定点観察
- 拡張性:直列接続、循環システムへの展開可能
アプリケーション例
①がん細胞の浸潤と転移
蛍光標識されたがん細胞が化学誘引物質の濃度勾配に沿って細胞外マトリックスを移動する様子
②がん細胞の溢出(遊出)
蛍光標識された乳癌細胞(MDA -MB -231)がEnd3内皮細胞と相互作用し、内皮単層を介しIC-Chipのマトリックス流路部へ溢出(遊出)した様子
共培養パーターン例
- がん細胞+線維芽細胞
- がん細胞+内皮細胞
- がん細胞+マクロファージ
IC-Chipシリーズ仕様
商品型式 | 3DICC-GPD03 3DICC-GPD06 3DICC-GPD15 |
商品名 | 細胞浸潤・走化性チップ IC-Chip |
入数 | 3, 6, 15 |
接液材質 | ガラス(基板部)、PDMS(流路チップ部) |
流路・チェンバー | 3 |
ポート径 | 1mm |
流路深さ | 150µm |
流路幅 | 培養チェンバー部:3250µm 中央流路部分:1125µm 中央流路孔部分:3375µm |
サンプル容量 | 各20µl |
滅菌処理 | 滅菌済み |
保管条件 | 直射日光を避け、室温(15~25℃) |
※本製品は、Initio社製です。
IC-Chipシリーズカタログ
細胞浸潤・走化性チップ IC-Chip
参考文献
- Ozdil B et al. “Fabrication of 3D Controlled in vitro Microenvironments.” MethodsX. 2014 Jul 8;1:60-6. doi:10.1016/j.mex.2014.06.003.
- van Duinen V et al. “Microfluidic 3D cell culture: from tools to tissue models.” Curr Opin Biotechnol. 2015 Dec;35:118-26. doi:10.1016/j.copbio.2015.05.002.
※本製品は、試験研究用です。ヒトまたは動物用の臨床診断や医療用機器等の用途に用いることはできません。